さくらんぼは『赤い宝石』とも呼ばれ、旬以外では輸入物のアメリカンチェリーなどを除いて5月~7月までと短い期間しか流通しません。
まさに初夏の訪れを感じさせてくれる貴重な果物です。
基本的に日本で流通しているさくらんぼは「桜桃」と呼ばれ、これが日本での和名になります。
有名な佐藤錦やナポレオンがこれにあたります。
また、色が紅紫色で大粒な所謂アメリカンチェリーは輸入物の9割が『ビング種』と呼ばれるものです。
国産の「桜桃」には女性に嬉しい成分が含まれており、なかでも多く含まれているのが鉄分とカリウムです。
鉄分に関しては貧血に効果が期待でき、カリウムにはむくみ防止効果やナトリウム排出効果などが期待できます。
またさくらんぼにはクエン酸やポリフェノールなどの抗酸化物質も含まれているので新陳代謝が促進され、体が温まりやすく健康効果が期待できます。
さくらんぼの受粉とは?
さくらんぼは基本的に一部品種を除いて、1本または同一品種間では受粉しても結実しません。
(正確にいうと萎んで、実とは言えない不完全なものが出来る)この特性を自家不和合性『じかふわごうせい』といい、さくらんぼのほかに、ナシやリンゴなどでもその特性が見られます。
果樹園などでさくらんぼを生産している農家の人にとって、さくらんぼの受粉は重要な工程で、自家受粉を行うのと自然な受粉を待っていたのでは収量に雲泥の差が出てしまします。
ミツバチを使った受粉方法!?マメコバチ??
果樹農園の生産者は自然受粉にミツバチを利用します。
さくらんぼ畑の傍らには等間隔で箱が設置されており、そこにマメコバチが生息しています。
ミツバチではなくマメコバチを選ぶのには訳があります。
一般的な養蜂はセイヨウミツバチなどの、巣を並べて蜂を放し蜜を集めてもらうことを連想しますが、さくらんぼ栽培におけるマメコバチの利用は『住処を作ってあげて蜂を待つ』というスタイルが表現としては適切です。
セイヨウミツバチではなくマメコバチをを選ぶ理由は、低温でも活動することが理由で、さくらんぼの開花時期に天候不良などで気温が低くても活動量が低下しずらいマメコバチの方が受粉効率が良いということです。
まとめ
さくらんぼは単一品種、または1本では結実できない『自家不和合性』という特性を持っています。
基本的に違う品種のさくらんぼを同じ農園に植樹し、ハチに媒介となってもらい花粉を受粉させます。
そのためには低温でも活動性が低下しない『マメコバチ』が活躍することになります。
マメコバチによって受粉効率をあげてさくらんぼの収量を上げる仕組みです。
ハチの生態をうまく利用した受粉方法で美味しいさくらんぼが食べられるわけですね。
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