赤い小さな実が鈴なりになる可愛い果実、さくらんぼ。その見た目はとてもかわいらしく、果実の中でも、視覚的に私たちを楽しませてくれるものとして、代表的なものなのではないでしょうか。
その印象的な見た目からでしょうか、さくらんぼは俳句の中でいくつか見受けられます。
さくらんぼなどの果物はよく、俳句の中では季語として用いられることはご存知の方も多いでしょう。
さくらんぼもその例にもれず、季語として用いられています。
では、さくらんぼは具体的にいつ頃の時期を表す季語として使われていたのでしょうか。
そして、実際にさくらんぼを取り上げた俳句にはどのようなものがあるのでしょうか。
さくらんぼはいつ頃の季語なの?
さくらんぼは、夏の季語として用いられます。
一般には初夏の味覚として知られていたため、その時期を指す季語敏江知られています。
「さくら」という単語が入っていることから、張るのイメージを抱くかも知れませんが、桜がさいた後に出来る実なので、夏の季語としてよく用いられます。
俳句のなかでもちいられる時には、さくらんぼ、としてだけでなく、「桜の実」「桜桃」など、様々な名前で用いられます。
さくらんぼは、もともと「桜の坊」の「の」が撥音便となり、「さくらんぼ」になったと考えられていることから「桜の坊」という使われ方をすることもまれにあります。
さくらんぼが用いられた俳句
さくらんぼはその色が鮮やかなところから、色彩感覚に優れた作品を多く残している原石鼎は「葉二枚のはざまに赤し桜んぼ」という作品を詠んでいます。
また、画家としても有名な与謝蕪村の作品のなかでも「来てみれば夕べの桜実となりぬ」というように、季節の移り変わりを示すものとしてさくらんぼが描かれています。
まとめ
食べてもおいしいさくらんぼですが、その視覚的な美しさから、そして春の代名詞ともいえる桜の実であるというところから、様々な局面で俳句の中で用いられています。
そういう情緒をかみしめながら食べるさくらんぼのおいしさは、またひとしおのものでしょう。
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