毎年、夏になるとみずみずしい実をつける桃は、その甘さを際立たせる芳醇な香りとともにわたしたちの食生活に潤いをもたらしてくれます。
さて、その“甘さ”ですが、実は桃の品質をはかるうえで、重要な指標となる基準があることをご存じですか?
それは、「糖度」と呼ばれる値です。
一般的にこの「糖度」の度数が高いほど甘く美味しい桃であると言われています。
そこで今回は、桃がもたらす糖度をアップさせるための環境と肥料についてご紹介したいと思います。
そもそも糖度って?
糖度とは果物などに含まれる糖分の量を百分率で表したものを言います。
もう少し詳しく言えば、果汁の場合、果汁100gの中にショ糖成分が何グラム含まれているかを百分率で表すものが糖度なのです。
果実の甘さもこの%の数値を度数で示し甘みの指標として、糖度(Brix値)が用いられます。
このBrix値を測定する原理として光の屈折現象を応用する近赤外分光法が用いられています。
糖度の測定機には、糖度計やBrix計と呼ばれるものがあります。
甘い桃が出来る条件とは?
・日当たりのよい場所で栽培する。
・水はけのよい排水環境が必要であること。
・品種選びに注意する。
桃は品種の違いによって1本の木で受粉するタイプと、人口受粉が必要なものがあります。
また、実が熟れる時期が品種によって異なるため病虫害等の防除も考慮が必要。
・植え付けから水やり、肥料、剪定などの管理を適切に行う。
桃の糖度がアップする肥料は?
・一般的に有機肥料の割合を高くすることがよいと言われています。
その際は、「アミノ酸」入り肥料を使うのが望ましいでしょう。
日照不足・低温・長雨などの悪条件でも、植物が持つ吸収力を促進し、開花や結実に貢献できると言われています。
まとめ
以上、今回は桃がもたらす糖度をアップさせるための環境と肥料についてご紹介いたしました。
桃の品質で最も重要な要素のひとつとしては、その大きさや形ではなく「糖度」であると言われています。
では一様に「糖度」は果物の甘さの指標となるかと言えば例外もあります。
例えばレモンは糖度が高くても甘さを感じないのは、含まれる酸度が高いためなのです。
このように「糖度」の高さが必ずしも味覚としての「甘さ」の象徴ではない場合もあることを付け加えて、この記事が美味しい桃作りに取り組まれる方の参考になれば幸いです。
今のあなたにおすすめの記事