桃は、観賞樹と呼ばれるぐらいに咲く花は美しく、ほのかでつつましい紅色をした果実は、他の果物を凌駕する甘さとみずみずしさに満ちています。
さて、そんな優等生の果物ですが、樹上で完熟させ収穫に至るまでにはクリアしなければならない様々な点があります。
そこで今回は、桃を栽培するに当たって肥料のやり方と時期・適切な量に焦点を当ててご紹介したいと思います。
美味しい桃が育つための条件について
桃は、果樹の中では比較的生育が早い果実です。
果実は全般的に言えることですが、気象条件や樹体の栄養状態によって影響を受けやすくなります。
桃の成長に必要な栄養分は、5月上旬頃まで冬に蓄えた養分を消費し、以降は葉が生産する養分によって賄われていきます。
桃の肥料にあたって窒素に敏感な特性があるので、散布量が多すぎると遅効を招き落果の恐れや核割れ果の発生が懸念されます。
逆に少なすぎると実自体が大きく成長しません。
元肥としては緩効性の有機肥料を1年サイクルの7~8割方の量として散布するのがよいでしょう。
桃の肥料は?
一般的に有機肥料の使用をおすすめします。
施用の場所は?
基本的に根がある樹冠下に施用します。
施用時期の種類は?
施用の種類は、大きく落葉後の「基肥」と生育時期中の「追肥」、収穫後の「礼肥」の時期に分かれます。
施用量とやり方・時期は? ※品種例:白鳳
・施肥量について
施用量は、土壌や木の生育状態、品種、樹齢等により異なります。
肥沃な土壌の環境や若木、樹勢が強い場合は施用量を控えめにします。
逆にやせた土壌や老木、樹勢が弱い環境であれば施用量を多めにします。
一般的に苗木の植え付け時は多めにしますが、幼木のうちは少なめで、定植から3年ぐらいを目途に結実がかなったら、嫡果量を踏まえた施肥量にします。
なお肥料の量は成木1本につき7kg前後です。
・施肥時期について
基肥・・・11月
年間施肥量の70~80%を施します。
新梢成長の時期に肥料を効かせると生理落下が増して品質低下の誘因になるので早い時期に効かせるようにしましょう。
追肥・・・5月
年間施肥量の10%を施します。
ミネラル分の補給などを必要に応じて行います。
追肥、収穫後の礼肥・・・8月から9月初め
年間施肥量の10~20%を施します。
礼肥の主な目的は収穫後の樹勢の回復と貯蔵養分の蓄積です。
施用量の20%ぐらいが目安です。
【まとめ】
以上、今回は桃を栽培するに当たって肥料のやり方と時期・適切な量に焦点を当ててご紹介させていただきました。
近年は異常気象による影響で果樹の生育が安定しない状況が見受けられます。
天候に左右さない土づくりを目指すためにも環境に対応する有機肥料の選択と適切な使用は大切であると言えますね。
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