毎年、初夏の6月頃から晩夏の8月頃にかけてあの甘酸っぱい香りを放つ“桃”がスーパーなどの果物売場にたくさん並びますね。
昔から「桃栗3年柿8年」という諺があります。
これは何事も物事を成し遂げるためには時間がかかるという例えとして使われています。
桃の実が成るのに3年は柿の実に比べて早いと言っていますが、桃は害虫に対してきわめて弱い性質を持つのでその栽培は非常にむずかしいと言われています。
そこで今回は、桃につく害虫の駆除と一般的な方法・対策についてご紹介したいと思います。
そもそも桃の生態は?
バラ科の落葉性小高木。
樹高は数メートルで、枝や幹に樹脂を持ち、傷がつくと分泌します。
3月下旬から4月上旬に葉に先だって開花します。花色は桃色を基本とし、クリーム白・白・濃紅・咲分けなどがあります。
果肉は桃・白黄・黄色などを呈し、肉厚く多汁で甘酸っぱさが適度にあり初夏から晩夏にかけての果物としてとても喜ばれています。
桃の病気の種類と効果的な薬剤は?
一般的に縮葉病、穿孔病、炭疽病、黒星病、灰星病などがあり、発芽前に石灰硫黄剤・機械油乳剤、生育期にボルドー液・水和硫黄剤などを使用するとよいと言われます。
害虫の種類と使用薬剤は?
<害虫の種類>
・桃の代表的な害虫は、アブラムシ・シンクイムシ・カイガラムシ・コスカシバ・モモハム
グリガなどです。
<使用薬剤>
・硫酸ニコチン・メタシストックス・モノックス・スミチオン水和剤などを用います。
害虫の防除方法は?
・前述したようにたくさんの種類の害虫が入り込みます。
その中から一例として“シンクイムシ”の防除についてご紹介します。
・シンクイムシは、主にバラ科の果樹につく蛾の一種です。
新枝や実に入り込み食害を繰り返す厄介な昆虫です。
実だけでなく新枝をも食い荒らします。
<薬剤を使用しない方法>
・満開から1カ月ほど経過した頃、嫡果します。
実の数を減らした後に残った実を袋かけします。
桃の袋は、切れ込み部分から枝の付け根にかけてしっかりとつけて、枝毎に隙間がおきないよう縛るのが大切です。
時期的には5月頃がよいでしょう。
しおれた枝を見つけたら食害された部分まで切り落とします。
<薬剤を使用する方法>
・5月頃から、スミチオンと水和剤などを適用回数に合わせて組み合わせ、10日から2週間間隔くらいで木全体に噴霧します。
シンクイムシは、放置しておくと毎年発生するので大変厄介な害虫です。
前述した嫡果や袋かけを組み合わせながら薬剤を使用するのがベストでしょう。
まとめ
以上、今回は桃につく害虫の駆除と一般的な方法と対策についてご紹介させていただきました。
なお農薬の散布作業は、風の向きのよっては、自分に薬剤がかかるとも限りません。
長袖の上着と長ズボンを着用し、マスクやゴム手袋、ゴーグルを必ず着用してください。
散布作業後は、手足や顔を石鹸等でよく洗い、全身もシャワーを浴びた方がよいでしょう。
農薬の人体への影響にはくれぐれも注意が必要です。
この記事が害虫の駆除対策のご参考になれば幸いです。
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