りんごなどの果樹や材木などの幹や枝などにを腐らせてしまう病気、腐らん病。
明治から始まった日本のりんご栽培初期から発生している病気で、原因はカビの一種が寄生することで発症すると言われています。
この病気は内部で進行が進み、症状が視認された時には樹木全体にカビが広がっている恐れがあり、早急な処置が必要と言われています。
この「腐らん病」について、纏めて見ました。
原因はカビの一種?その恐ろしい感染経路とは?
腐らん病の初期症状は、枝や幹などの表皮部分に膨らみが生じ、少し隆起し、境界部分にひび割れが見られるようになるそうです。
その後、数週間から1ヶ月程度で内部の樹皮などが枯れ、陥没、暗い褐色になるようです。
この原因菌は、空中に周年飛沫しているバルサ・ケラトスペルマと呼ばれるカビの一種とされており、樹木の傷口や剪定痕、樹木の育成状態が悪く抵抗力が低い時などに感染すると言われています。
症状が進むと、感染箇所から胞子を飛沫させ、果樹園内の飛沫濃度が上がり、園内の感染率、また近隣木々への感染が懸念されるようになるため、早急な対応が必要と言われている病気です。
対処方法は患部の除去しかない?!
感染してしまった後の対処は、患部を削り取り、表面を保護する薬剤を散布するのが、この病気の基本対策のようです。
除去する場合は、深さ1~2センチ、縦の紡すい形に削り取り、その跡に塗布剤を塗布すると、その患部からの再発病を防ぐことが出来ると言われています。
深さが足りなかったり、切取り部分が感染部位よりも小さいと、除去に至らず、同じ場所に再発病したり、他の部位に転移してしまう恐れがあるので、病状箇所をしっかりと見極めることが大事と言えるでしょう。
削り取った部分には、まだ病原菌が残っている場合があるので、根元に放置するのではなく、焼却処分など適切な処置を速やかに行いましょう。
防衛策は何をすればよい?
原因となる菌は周年で飛散しているため、どの樹木も感染の可能性があります。
防衛策としては、基本は樹木を常に健全な状態にして抵抗力を保つことだと言われています。
原因菌が樹皮などに付着しても、抵抗力が強ければ繁殖には至ることはないようです。
次に、傷口の剪定作業跡のチェックを適宜実施し、必要に応じて薬剤を塗布するようにしましょう。
まとめ
昭和中期に大流行したこともある病気ですが、現在では樹木の生育状態を健全にしてくれる薬剤も開発されており、それほど怖い病気ではなくなってきているようです。
病斑等を見付けても、あわてず落ち着いて対処しましょう。
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